嗅覚障害とは

鼻からにおいを嗅ぐと、においの成分が鼻の中を通り、鼻の穴の奥にある嗅粘膜に到達します。そこから嗅神経を通って脳へと情報を伝達し、脳がにおいを感知します。この一連の流れがにおいを感じるメカニズムです。そのにおいを感じる嗅覚に何らかの原因で異常が生じている状態が嗅覚障害です。また嗅覚は味覚にも影響を与えます。

嗅覚障害のタイプ

気導性嗅覚障害

においの成分が鼻の奥に到達せず、においを感じる嗅神経が反応しないことで起こるタイプの症状です。慢性副鼻腔炎（蓄のう症）やアレルギー性鼻炎の発症が原因となって鼻づまりが起こることで併発することが多い症状です。

嗅神経性嗅覚障害

この症状は、嗅粘膜がウイルス感染や毒物などの影響でダメージを受けることで、嗅神経の機能が低下し、においを感じ取れなくなります。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の感染により起こることが多いです。また、においが感じ取れなくなるという症状だけではなく、本来と違うにおいを感じる症状が出る場合もあります。

その他障害

顔面や頭部、鼻の外傷により中枢神経や嗅神経が直接的にダメージを受けることで発症する場合があります。

嗅覚障害の検査

数種類の段階的ににおいの強さが変わる「においの素」を使用して、どの強さの段階でにおいを検知したか、また何のにおいかを認識できたか、を測定する基準嗅覚検査を行います。またアリナミンテストという、注射するとニンニクのにおいがするアリナミン注射液を静脈内に注射し、注射してからにおいを感じるまでの時間と感じなくなるまでの時間を測定する検査があります。

嗅覚障害の治療

嗅覚障害の原因によって、様々な治療方法がありますが、当院では特に慢性副鼻腔炎が原因となる嗅覚障害と、アレルギー性鼻炎が原因となる嗅覚障害の治療を専門的に行っています。
慢性副鼻腔炎が原因の場合は、内服薬の治療や副鼻腔内の洗浄や溜まった膿の吸引を行うことで、症状の治療、嗅覚障害の改善に努めます。アレルギー性鼻炎が原因の場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の処方を行い、症状の改善に努めます。

こんな症状の方は一度ご相談ください

  • カレーやキムチ、納豆などのにおいが鼻を近づけないとわからない
  • 食べ物が腐っていることや生ごみのにおいに気付かない
  • 特定のもののにおいを強く感じるようになった
  • 食事の味があまりしない、わからない

このような症状にお悩みの方は、お早めに当院にご来院いただきご相談ください。