補聴器外来とは

補聴器をつけようと考えても、補聴器には、大きく分けて「耳穴タイプ」や「耳掛けタイプ」、「ポケットタイプ」があり、実際の補聴器の機能や役割も異なるため、症状に合った補聴器を選ぶ難しさがあります。
補聴器外来では、難聴により日常生活で不便を感じている成人以上の方を対象に、そのような補聴器を選ぶ時の不安や使用感の調整、つける際のフォローを行っております。

補聴器外来の流れ

当院の補聴器外来の流れについてご説明します。

①難聴の検査・診断・治療を行う
具体的には、耳垢のつまりや鼓膜穿孔(鼓膜に穴が開いている状態)などの耳疾患が難聴の原因でないかを診断します。合わせて、補聴器が必要かどうかの検討をするため、聴力検査を実施します。行うのは標準純音聴力検査(聞こえの検査)です。
②補聴器適応のための検査
語音聴力検査(音の認識能力の検査)を行います。言葉の聞き取りができるか、きちんと認識ができているかの検査です。その診断の結果、補聴器の必要性がある場合、患者様からの相談に基づいて、補聴器に関する説明や試聴を行います。
③補聴器の調整・作成
聴力や生活スタイルに合わせた補聴器を選択し、お貸し出しします。貸し出した補聴器をつけて生活していただきます。2週間程度毎に来院いただき、聞こえの状況やつけ心地の状態を伺いながら、必要に応じて再調整や機器の交換を行います。何度も調整をして自分に合わせていくことが補聴器選びの中でも最も重要なことです。試した補聴器が自身に合っていると感じた場合に、ご購入へと進みますが、効果を実感できなかった場合は、補聴器をご返却いただければ結構です。
④購入後アフターケア
補聴器は毎日使うようになってから、余計な生活音を拾ってしまうことやつけ心地の問題など、装用後の違和感が出てくる場合があります。当院では購入後にも、問診と補聴器適合検査を実施し、違和感や問題がないように使用者ひとりひとりに合わせた調整を行っています。

病院・診療所は医療機関です。量販店や販売店で補聴器を購入いただくことはできますが、調整をせずにぴったり使えることはほとんどありません。
補聴器外来の目的は「患者さんに適正に補聴器を使用していただくための指導・調整を通し、症状を治療・改善すること」です。自分に合ったものを使うためにも、症状を少しでも改善できるように一度当院にご相談ください。

最後に

難聴の症状は自分が思っているよりも近くで見ているご家族の方が、気付くのが早い場合があります。難聴を放置すると、将来的に認知症やうつ病を発症するリスクが上がることもあるため、ご本人のプライドを傷つけるのでは、怒るのではと、考えてしまうことはごもっともですが、ご本人の将来のためにも、早期の受診をおすすめいただくようお願します。