耳垢栓塞(じこうせんそく)とは

耳垢栓塞(じこうせんそく)とは、耳の中に耳垢が溜まることで、その耳垢が固まって耳の穴を塞いでしまう症状です。本来、耳には耳垢を鼓膜の外に押し出すこと自浄作用がありますが、誤った耳掃除の方法などで耳垢を詰まらせてしまうことが原因となることが多いです。

耳垢栓塞の症状

耳垢栓塞の症状は、自覚症状がないことが多いですが、耳が詰まっている感じがする耳閉感や耳が詰まっていることで自分の声が響いて聞こえる症状、難聴症状があります。また、耳垢が水分を含み膨張することで炎症を起こし、かゆみや痛みが生じる場合もあります。

耳垢栓塞になりやすい人

水分を含んだ耳垢が溜まっている方

耳垢が水分を多く含んでいることで、耳垢栓塞になりやすいため、湿性耳垢の方やプールによく入る方によくみられます。

子ども

お子さんは外耳道が狭いため耳掃除がしにくく、耳垢が溜まりやすいため、耳垢栓塞になりやすいです。

高齢者

高齢者は耳の自浄作用が加齢により低下することで耳垢が溜まりやすく、また認知機能が低下し耳掃除をしなくなることも原因で、耳垢栓塞になりやすいです。

補聴器やイヤホンを使用している方

イヤホンや補聴器を耳に挿入して使用する際に、耳垢が奥に入り込んでしまうことが原因となります。また、長時間使用することで耳の中が高温多湿になり、細菌が繁殖しやすい状態になるため、炎症が起こりやすくなることも耳の状態の悪化原因となりますので、合わせてご注意が必要です。

耳垢栓塞の治療

耳垢栓塞は詰まった耳垢を適切に除去することで改善します。自分で取り除こうとしてさらに内側に押し込んでしまう危険性があるため、軽く柔らかい綿棒などによる耳掃除程度にとどめ耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳掃除の頻度とやり方について

前述した通り、耳には自浄作用があり、耳穴の外に自然に耳垢を排出するようになっています。実際、あまり耳掃除をしなくても、耳に大きな問題は生じないといわれています。そのため、目安として月に1回、清潔な綿棒を使い、耳の入り口付近の耳垢を拭き取っていただく程度に留めていただくことが理想的です。耳の奥まで強く掃除をする行為や頻回に耳の奥を触る行為は避けてください。耳の中をかえって傷つけてしまい、炎症を起こすきっかけとなります。
まずは当院にご来院いただき、耳の状態の確認をしたうえで治療をしていきましょう。