インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺に入り込み、感染・増殖することで発症する疾患です。
インフルエンザウイルスには、大きく分けてA型、B型、C型の3種類があります。そのうち、A型はヒト以外にも動物にも感染します。またたくさんの変異型が存在し、毎年形を変えながら流行します。B型、C型はほとんどの場合、ヒトにのみ感染します。A型と違い変異型は存在しません。インフルエンザの主な感染経路は、インフルエンザ感染者のくしゃみや咳などによって飛散したウイルスを含む飛沫を吸い込むことで感染する「飛沫感染」と、飛沫したウイルスが空気中を滞留しそのウイルスを吸い込んで感染する「空気感染」と、ウイルスがついた手指やものから感染する「接触感染」があります。
インフルエンザは、厚生労働省のデータによると、15歳未満の子どもの発症率が感染者全体の半数を超えることもあります。特に乳児期の子どもは体が小さく免疫も完成していないため、大人に比べてインフルエンザに感染すると症状が重症化しやすいです。

インフルエンザの症状

インフルエンザに感染すると、初期症状として発熱や悪寒、頭痛の症状が発生します。そこから症状が進行し、関節痛や筋肉痛が起こり、熱も38度以上の高熱が3~4日続く場合があります。子どもはインフルエンザに感染すると、中耳炎や副鼻腔炎などの疾患を併発することも多くあります。
また、子ども以外にも注意が必要な方は高齢者の方です。高齢者の方がインフルエンザに感染すると、免疫力が低下していることが多いため、症状が長引く傾向があり、肺炎や気管支炎などの呼吸器系の合併症を起こす可能性があります。特に肺炎は併発する可能性が高く、重症化すると命に関わるほど危険性が高いです。高齢者の方は、インフルエンザに感染しても高熱をあまりせず微熱症状が続き、症状が表面化しない場合もあるため、特に注意が必要です。
当院では特に重症化しやすい子ども世代と高齢者世代に、インフルエンザに感染しないよう、予防策を徹底していただくことを推奨しています。

インフルエンザの検査

インフルエンザの検査には、迅速抗原検出キットを用いることが基本です。この検査では、鼻に綿棒を入れて鼻の粘膜を採取して検査を行います。検査を行うタイミングは発症直後ではウイルスの数が少なく正確な判断ができない場合があるため、症状が発現してから12~48時間の間に受けることが最適です。

インフルエンザの治療

インフルエンザの治療は、症状を緩和する対症療法とウイルスを増やさないための抗インフルエンザ薬があります。錠剤やカプセル、シロップや粉、吸入剤、点滴など数種類のタイプの抗インフルエンザ薬があり、患者さんの服用しやすいタイプや年齢・体格に合わせて一人一人に合わせて処方することができます。

インフルエンザの予防

インフルエンザは、予防接種で予防が可能です。ワクチンは感染力を弱めた、殺したウイルスを体内に接種することで抗体を作り、発症を抑えたり、重症化しづらくなるため、合併症なども併発しづらくなる効果が期待できます。
当院でもインフルエンザワクチンを実施しておりますので詳細はスタッフまでお聞きください。