溶連菌とは
溶連菌は、溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)という細菌に感染することが原因で、その約9割がA群溶血性連鎖球菌によるものです。
感染者のウイルスや細菌を含んだ、咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことで感染する「飛沫感染」、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」、ウイルスが付着した食品を口にすることで感染する「経口感染」などが溶連菌感染症の主な感染経路です。
感染力が非常に強く、5~15歳のお子さんに発症することが多いです。保育園、幼稚園や学校などの集団生活で流行することがあります。また大人も感染することがあり、お子さんから家庭に感染が広がる場合もあります。感染者の触れたドアノブや、食器、タオルなどを間接的に触ることで感染する場合もあります。
溶連菌の症状
溶連菌感染症の主な症状は、発熱と喉の痛みです。また、体や手足、舌に赤い発疹が出る(イチゴ舌)症状や頭痛、首筋のリンパ節の腫れ、腹痛や嘔吐症状が発生します。
また、腰や肘、膝、足など関節痛を引き起こす場合もあります。風邪と違い、咳や鼻水ができないことも溶連菌症状の特徴です。
溶連菌の検査と治療
当院では、咽頭(のど)の奥の粘液を綿棒で採取し、迅速検査キットを用いて検査・診断を行い、大体5~10分程で結果がわかります。
溶連菌感染症の治療には、細菌の活動を抑える効果がある抗菌薬の処方を行います。抗菌薬の服用によって、2~3日で熱やのどの痛みなどの症状は治まり始めますが、確実に溶連菌を退治しきるために抗菌薬の服用はやめないようにしてください。抗菌薬の服用を途中でやめると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎など重大な合併症を引き起こす場合があります。処方したお薬は必ず最後まで服用しきるようにしてください。
溶連菌の予防
溶連菌の予防は、手洗い・うがい・マスクの着用など基本的な予防策を行っていただくことと、保菌者・感染患者との濃厚接触を避けることが重要です。人ごみを避けることやご家族が感染した場合は、部屋をできるだけ隔離する、共有物の消毒を行うようにしていただくなど対策しましょう。