耳管開放症とは
耳管は耳と鼻をつなぐ細い管状の通路のことを指し、耳の中の圧力を調整する働きを持っています。皆さんも経験があると思いますが、飛行機や高層エレベーターに乗った時に、耳が詰まった状態を解消するために唾を飲み込む、またはあくびをするといった時にだけ耳の圧力を調整するために耳管は開き、すぐ閉じます。耳管開放症とは、何らかの原因ですぐ閉じるはずの耳管が閉じきらず、開いている時間が長くなる、または開きっぱなしになってしまうことを指します。
耳管開放症の原因
耳管開放症の原因は多岐にわたりますが、急激な体重減少(過度なダイエットなど)により耳管を囲む脂肪組織が圧力を失い、耳管の閉じる力が弱まることが原因と考えられています。また、脱水など血流循環の悪化が原因となる場合もあります。
耳管開放症の症状
耳管開放症は主に三つの症状があります。
- 自分の声が大きく響く(自声強聴)
- 耳が詰まっている感じ(耳閉感)
- 音がこもって聞こえる(自己呼吸音聴取)
自分の声がわからないということもあり、日常のコミュニケーションや生活に影響を及ぼします。
耳管開放症の治療法
耳管開放症の治療は、症状によって、点鼻療法、内服薬治療などを行います。点鼻療法は、鼻から生理食塩水を垂らす治療で、副作用がほとんどない治療法のため行うことが多いです。内服薬治療では漢方薬などが有効とされているため、処方する場合があります。鼓膜にテープを貼って鼓膜の動きを制限することで音の聞こえが改善する場合があります。
ご家庭で気を付けるべきこと
まず前述の通り、体重減少が原因となる場合がありますので、無理なダイエットはしないようにしていただき、計画的な減量を心掛けてください。また夏場は脱水状態になりやすいため、しっかりとした水分の補給を行うようにしてください。鼻の違和感から鼻すすりをしてしまうことで、中耳炎を併発してしまうこともあるため、鼻すすりはしないようにしましょう。
自分の声が聞こえる、難聴症状を感じている方は、早めに当院にご相談ください。