手足口病とは

手足口病とは、口腔粘膜や、手・足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症・発疹症です。

手足口病の原因

手足口病の原因は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどのウイルスで、飛沫感染と接触感染が主な感染経路です。
飛沫感染は、手足口病患者の咳やくしゃみなどのウイルスを含んだ飛沫(しぶき)を吸い込むことで感染します。近距離の対面で会話することでも感染する場合もありますので、注意するようにしてください。
接触感染は、破れた水疱や便から排出されたウイルスが手などを介して、口や眼などの粘膜に入り感染します。タオルやドアノブなど、モノからも感染することがあるため、特に注意が必要です。
手足口病の原因ウイルスには複数の種類があるため、一度手足口病になったから、免疫力があり安全とは限りません。特に周りに手足口病の方がいる場合は、1回目と同様に感染予防をしていただくことをおすすめします。

手足口病の症状

手足口病は従来夏季に流行していましたが、季節に関係なく発症することも増えています。患者のほとんどは小児で、5歳未満の小児が80%を占めますが、まれに大人にも感染します。
手足口病の主な症状は次のとおりです。

  • 手のひら、足の裏、足の甲、口の中の粘膜などに2mm程度の小さな水ぶくれができる
  • 38度以下の熱が1~3日間程度続く
  • 口内炎ができ、食事が満足にできない

また、発症時にできた発疹は1週間から10日程度で自然に消えます。
まれに髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の合併症や心筋炎などが起こる場合があるため、経過観察をしっかりと行う必要があります。当院では手足口病患者さんが受診時、周りに感染しないよう感染対策をしっかりと行っています。

手足口病の治療

手足口病の治療は、ウイルスに効く薬がないため、症状に合わせた対症療法や経過観察を行います。発熱・頭痛・口内の水ぶくれの痛みなど、がある場合は解熱剤や鎮静剤を処方することがあります。また口の中の痛みで十分な食事・水分が取れない場合は、ゼリーなど流動食で栄養を取ります。

手足口病の予防

ウイルス性の感染症であるため、手洗い・うがいをこまめに行うことやモノからの感染を避けるために共用部・共用品を消毒すること、密接、または大人数の接触を控えること、などが日常生活で行うことができる予防策です。
また、お子さんのウイルスが大人に発症する場合、おむつ交換やトイレの後、タオルの共有で感染することがあるため、おむつ交換後は、必ず手洗いを行うなど気を付けていただくようにしてください。