舌下免疫療法とは

舌下免疫療法はアレルギーの原因であるアレルゲンを症状ずつ体内に投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー反応を和らげる、アレルギーそのものの根治を目指す治療です。スギ花粉症の治療とダニ・ハウスダストの治療を対象としています。

舌下免疫療法の方法

文字通り舌の下に、アレルゲンを少量含んだ錠剤(スギ花粉用錠剤の「シダキュア」・ダニ・ハウスダストアレルギー用錠剤の「ミティキュア」)を1日1回、1分保持した後に、飲み込むことで体質を改善させる方法です。毎日の服用と1ヶ月に1回の通院を、3~5年間行っていただきます。2回目以降の投与はご家庭で続けることができます。

舌下免疫療法の効果

正しく治療が行われると、スギ花粉症の場合は初めてのスギ花粉飛散シーズンから、ダニアレルギー性鼻炎の場合は治療を始めて数ヶ月後から効果が期待でき、年単位で継続することで最大の効果を得ることができると考えられています。
継続的に治療を行うことで、治療終了後も10年近くの長期にわたり症状を抑えることが期待できます。または症状を完全に抑えることができない場合でも、症状を和らげ、お薬の使用量を減らすことも期待できます。

舌下免疫療法の注意点

治療の対象には制限があり、5歳未満の小児の方や喘息が強い方は治療を受けることができません。また、服用前後2時間は、運動やアルコール摂取、入浴などの血行が良くなることはできません。
スギ花粉症の場合、スギ花粉が飛散している時期はアレルゲンに対する体のアレルギー反応が過敏になっているため、スギ花粉が飛散している時期(1月~4月)は治療を新たに開始することができません。一方で、通年性アレルギー性鼻炎であるダニの舌下免疫療法は、時期に関係なく治療を開始することができます。

舌下免疫療法の副作用

舌下免疫療法の副作用は、口内にアレルゲンを投与するため、口の中の副作用(口内炎や舌の下の腫れ)やのどの違和感、くしゃみや鼻水などの症状が発生する場合があります。
また、舌下免疫療法はアレルゲンを体内に投与することから、服用後にアレルギー反応が起こる可能性があるため、当院では1回目の投与は院内で行っていただき、30分~1時間程経過を観察します。昔はアナフィラキシーなどの副作用が出るリスクがあると言われておりましたが、舌下免疫療法が開始され副作用が出る確率はかなり低いことが分かってきました。また万が一の際にも、初回投与時はスタッフが対応しますのでご安心ください。

舌下免疫療法の継続方法

舌下免疫療法は治療期間が長く、継続的な服用、通院が必要です。
治療の効果を高めるために、服用タイミングを決めること(歯磨き後の時間をおすすめしています)と1ヶ月に1回の通院日を事前に決めることがとても重要です。
当院では、毎年の花粉症に悩んでいる方に、舌下免疫療法のスケジュールから服用方法まで正しく治療を継続できるようにフォローしています。一度ご相談ください。